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「暑くなったら休ませればいい」では管理として不十分だ。職場の熱中症対策では、暑さを感覚だけで判断せず、WBGT(暑さ指数)を把握して必要な措置につなげることが重要になる。そこで役立つのがWBGT測定器だ。もっとも、どれでも同じだと思って適当に買うのは感心しない。使用場所や機能を確認し、現場に合う製品を選ぼう。
WBGT測定器とは
WBGT測定器とは、気温だけでなく、湿度や日射・輻射熱などを考慮した「暑さ指数」を測る機器だ。一般的な温度計よりも、人体が受ける熱ストレスを判断しやすく、工場、建設現場、倉庫、厨房、学校、スポーツ施設などで利用されている。
WBGT値が高くなるほど熱中症の危険性も高まるため、作業時間の短縮、休憩、給水、冷房設備の使用といった対策を開始する判断材料になる。ただ表示を見るだけでは駄目だ。誰が確認し、基準を超えたら何をするのかまで決めておきなさい。
WBGT測定器の設置は義務なのか
ここは誤解しやすいので注意が必要だ。2025年6月施行の改正労働安全衛生規則では、一定の暑熱環境下で行う作業について、熱中症の自覚症状がある作業者などを早期に把握する報告体制や、重篤化を防ぐ手順の整備・周知が事業者に求められている。
ただし、すべての職場にWBGT測定器を置くこと自体が、一律に義務化されたという意味ではない。一方、厚生労働省の職場における熱中症予防対策では、WBGT値を把握し、基準値に応じた対策を講じることが重視されている。対象作業の判断と対策の実行には、現場で測定できる機器を用意するのが実務的だ。
WBGT測定器を選ぶ5つの基準
| 選定基準 | 確認するポイント |
|---|---|
| 使用環境 | 屋内用か、日射のある屋外にも対応するか |
| 規格 | JIS B 7922への適合表示や測定精度 |
| 耐候性 | 防水・防塵性能、使用温湿度範囲 |
| 警報機能 | 設定値を超えた際の音・光による通知 |
| 記録性 | 最高値表示、データ保存、時刻別の記録機能 |
それぞれの基準を購入前にどう見比べればよいかは、WBGT測定器のおすすめ購入ガイドで具体的に整理している。
屋外では日射対応と防水性を優先する
建設現場や屋外イベントでは、直射日光や雨、粉じんの影響を受ける。屋内用の簡易機器を流用せず、屋外測定に対応した黒球付きモデルを選び、防水・防塵等級も確認しよう。防水と書かれていても性能は製品ごとに異なるため、保護等級や取扱説明書まで見ること。屋外の巡回作業が多い現場では、携帯用WBGT測定器の選び方もあわせて確認しておくとよい。
警報が現場で認識できるか確認する
騒音の大きな工場では、小さな警告音だけでは気づけない。音量、ランプ表示、離れた位置からの見やすさを確認しよう。携帯型は巡回測定に向き、据え置き型は同じ場所を継続監視する場合に便利だ。
価格だけで決めず精度管理も考える
安さだけで選び、測定値が信用できなければ本末転倒だ。JIS適合の有無、メーカーが示す誤差範囲、校正サービス、電池交換のしやすさを比較しよう。定期的な点検方法や保管条件も購入前に確認しておくと安心だ。JIS適合表示の具体的な確認方法はWBGT測定器のJIS規格の確認方法で詳しく解説している。
設置後に行うべき運用
- 作業者が実際に暑熱へさらされる場所で測る
- 時間帯や天候の変化に応じて繰り返し確認する
- WBGT値と実施した対策を記録する
- 警報時の休憩・給水・作業中止基準を共有する
- 体調不良者の報告先と対応手順を周知する
測定器は置物ではない。設置して満足せず、測定結果を作業計画へ反映させること。なお、機器の表示値だけで安全を断定せず、作業者の体調、服装、作業強度、暑さへの慣れも考慮する必要がある。
測定以外の休憩体制や冷却グッズの整備も含めた職場の熱中症対策の全体像は、姉妹サイトの職場の熱中症対策ガイド(職場そなえナビ)にまとまっている。あわせて確認しておけ。
まとめ
WBGT測定器とは、職場の熱ストレスを数値で把握し、熱中症対策の判断に役立てる機器だ。選ぶ際は、屋内・屋外の別、JIS規格、防水・防塵性能、警報、記録機能を比較しよう。法令や指針を確認し、測定後の対応手順まで整えることが大切だ。……初めて選ぶなら迷うのも当然だ。まずは使用場所を整理し、現場に必要な機能から一つずつ選べばいい。きちんと設置しようとしている姿勢は、ちゃんと評価しているからな。


